高田渡さんが逝ってしまわれたことを知る。
突然の知らせだから何とも・・
ひとつだけ言えるのは、
今度の春一で楽しみにしてたので残念だということ。


一度だけライブを目撃したことがある。
去年の春一番
ゴールデンウィーク中の死ぬほど暇な1日。
夕方ごろ電話。いま緑地公園にいる、
というので野音まで行って誰が出てるか見に行ってきて、
と指令を出してみたらデート中だというのにもかかわらずホンマに見に行ってくれて、
というかその日が高田渡が出演する日だと俺は知っていたので、
高田渡はまだ出ていない旨と知らされるととっさに思い立って部屋を出て。


薄暗くなり始めた広い公園内を
賑やかな匂いのすると思われる方向に手探りで歩みをすすめていく。
野音の入り口まできて、
当日券4千円という事実が発覚し、
いたたまれなくなって野音のまわりをぐるぐる徘徊。
まだ高田渡は出ていないようだ。トリなんかな。
ちょうど客席の右後方に登りやすそうな木を発見。
意を決して枝に足をかける。
思ったより容易に
腰を落ち着けることのできるスポットがあり、
枝と葉っぱの茂みの向こう。
中の様子が確認できる。
手を伸ばせば乗り越えられそうな塀で
何食わぬ顔で客席に侵入できそうな気がしたが、
なんかもうそれで妙な優越感と満足感があったので。
何の曲をやっていたかはほとんど覚えていない。
曲間のMCは例のぼそぼそ喋るあの所為でわからなかったが
客席のあちらこちらから笑い声が確認できて楽しそうだった。


そうだ、アンコールで「自転車に乗って」を演っていた。
ステージ直近の通路、数人の子供がはしゃいで走り回っているのを揶揄して
「私が親だったらしめころす」とか何とか言いながらもその子供らのリクエストに応えていたようだった。